緑内障についてお話する前に、“眼圧”というものについて述べる必要があります。みなさん自身の眼球を瞼の上から指で押してみると、“眼は硬い”ということに気づくと思います。
実際の眼球の中は、ある特殊な“水”で満たされています。この水は絶えず流れており、眼球の中には水を注ぐ蛇口と眼球の中から外へと水を出す排出口があります。もし、排出口に何か障害が起こりますと、蛇口は開き放しですから、水は眼球を満たし続け、眼球の中の圧力（眼圧）は次第に高くなっていきます。この結果、眼球の中にある組織の中で“圧力”に対して弱い網膜と視神経が障害を受ける、これが緑内障の起こり方の１つです。
他にも、眼の中の炎症、外傷、悪性腫瘍、白内障、先天性の要因などによる緑内障もあります。
すなわち、『緑内障』は１つの病気を言うのではなく、多くの病気の総称なのです。
このことは大変重要で緑内障の治療法が一元的に決まらなく、それを難しくしている大きな理由になっています。
最近では“眼圧”以外に、視神経の血流障害や視神経自体に問題があるのではないかという報告があり、まだ完全には解明されていません。
